10月の即位礼正殿の儀から、今月のパレードなど、お代替わりの儀式や行事は続いていますが、その中でも最重要行事として位置付けられているのが、大嘗祭、大嘗宮の儀です。
宮内庁HPによりますと、大嘗宮の儀とは、「天皇陛下がご即位の後,初めて新穀を皇祖・天神地祇に供えられ,自らも召し上がり,国家・国民のためにその安寧と五穀豊穣などを感謝し祈念」するものであります。
この大嘗宮の儀では、神々と共に、お食事を陛下が召し上がるわけですが、これには大変深い意味が込められています。「神人共食」といい、これにより、神々と同じエネルギーとなられるわけです。神人合一、魂魄統合ともいえます。
ちなみに、これが簡略化したものを、現在わたしたちも体験することができます。神社でうける直会(なおらい)で、ご神事のあと、お神酒などをいただくことがそれにあたります。神道のすごいところは、これが、特別な人だけに与えられた特権ではなく、誰でも、どんな人でも、神々の前では等しく、神人合一、魂魄統合がなされうる、という概念があるところだと感じています。中世の神道書にも書かれていることです。
自然界のあらゆる存在に神々を見、畏怖と感謝を抱きながら、自然と共に生きてきた日本という国の、国家ができる前からの信仰が、こういう形で現在まで残されているというのは、大変貴重だと思います。
「形は滅びても、”イノチ”は永遠です!」とおっしゃる、湯島天満宮の小野先生の動画を貼り付けさせていただきます。大嘗祭は、お代替わりの時にのみ行われる大変貴重な儀式です。明日14日の夕方と、明後日15日に行われます。この機会にぜひ、千年以上前から続く儀式に思いをはせてみてくださいませ。